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「補償委員会」への問い合わせを行いました

2025年10月29日、世界平和統一家庭連合(旧統一教会、以下「家庭連合」 )が設立を発表した「補償委員会」に対し、当事者として公開の質問をすることにしました。

目次

なぜ公開質問を行うのか

旧統一教会(家庭連合)「宗教2世」のおかれた事情

私の両親は現在も家庭連合の篤実な信者で、彼らに献金の返金を求めるつもりは毛頭ありませんし、私自身の気持ちとしても補償の申請自体はしたいとは思っておりません。

しかし、子(2世)である私の立場として、今後の老親の扶養等といった諸事情を考えた時、両親が無理な借金を重ねて献金した分の、せめてその一部であっても補償請求を検討せざるを得ないというのが実情です。

しかし、これまで関連法案(いわゆる「救済新法」等)が施行されつつも、私たち「宗教2世」は適用対象外となってしまうことから、「救済」の目途はほとんど立っていない状況が続いています。

そんな中、家庭連合は今回、補償委員会1の設立を発表。基本理念を参照すると

中立・公正・社会的妥当性の見地から判断を行い、返金のご要望が消滅時効や除斥期間を超過する以前のものであったとしてもそれら消滅時効や除斥期間を考慮することなく、客観的証拠が必ずしも十分ではない場合であっても聞き取り調査その他の調査により蓋然性の認められる限り、法律の枠内を超えた補償を原則とした判断を行います。

補償委員会事務局 – 補償対象者及び補償の流れ

と書いてあり、私たち「宗教2世」の救済についても可能性があり得るのでは、と思いました。

「補償委員会」についての疑問

しかし、この委員会はあくまで家庭連合の依頼によって作られたものです。2

委員会としては、現信者だけでなく元信者や関係者も対象としていますが、特に私のような「背教者」と指弾された者にとって、この委員会に対して補償の申請をするのは、正直、少なからずためらいを感じてしまいます。

ならば、そのような疑問を虚心坦懐に、率直に尋ねてみればよいのではないか。
そう思い立ち、質問を送ってみることにしました。

また、声を上げることすらできない被害者、特に「宗教2世」の方々にも少しでもご参考にもなれば嬉しいので、個人情報等を削除し一般化した上で公開することにしました。

質問の要旨

質問は補償委員会事務局のメールアドレスに宛て、以下の6点について行いました。
送信日時は2025年11月2日(日)、午前9時です。

1. 独立性・中立性・公正性

ホームページを見ると、この補償委員会は家庭連合との契約に基づいて設置されているとされています。

いわゆる「第三者委員会」とは異なる立場であり、本当に独立して中立・公正に判断できるのか

離教した立場としては正直なところ疑問もあり、どのような仕組みやルールで中立性を保っているのか確認しました。

2. 補償の意義

補償を行うということは、過去の献金集めや教団活動に問題があり、被害が生じたことを事実上認めることになります

その理解でよいのか、差し支えない範囲で回答を求めました。

3. 被害弁護団との違い・委員会設立の意図

家庭連合はこれまで、全国統一教会被害対策弁護団(被害弁護団)の集団調停に応じることを一貫して拒否してきました。
さらに公式会見では「元信者や元2世の主張には虚偽が多い」といった発言3もあり、私もその「嘘をつく元2世」と見なされた一人です。

10月29日の家庭連合プレスリリース4では、「方針転換を行い補償委員会を設立した」とありました。
しかし、過去の頑なな対応や被害者の声を貶めた発言に対する謝罪や釈明は一切ありません
安心して補償を申し出るためには、過去の対応の反省や、委員会設立の理念を知ることが不可欠だと感じました。

また、被害弁護団経由と補償委員会経由で申請する場合の違いについても確認しました。

4. 親の意思に関わらず子(2世)が補償申請できるか

両親が補償を希望していなくても、子どもである2世が申請できるのか
さらに、私が申請したことで両親に不利益が出ないよう配慮されるのかも重要な確認事項です。
私自身、申請は望んでいませんが、家族の生活を守るための判断として検討しています。

5. 2世の精神的被害への対応

教義による信仰の強制や、親の高額献金負担・借金の名義貸しなど、間接的な被害も典型的なものです。
こうしたケースでも補償を受けられるのかも確認しました。

6. 公開について

問い合わせ内容と回答は、個人情報を伏せたうえで、他の被害者の方々に参考情報として共有する可能性があることを申し添えておきました。

さいごに

正直、今回の家庭連合による方針転換および補償委員会設置は、あまりにも唐突な印象をもちます。

それに、取材に応じた教団の勅使河原秀行・教会改革推進本部長によると

勅使河原氏は「補償と謝罪はセットだというのは理解できる。道義的責任は否定できない」などと述べ、教団として公式な謝罪を検討していることを明らかにした。

旧統一教会が公式謝罪を検討 元信者らへの補償委員会設置を受け | 毎日新聞

とのことですが、補償は決めたけど謝罪は「検討中」というのは、私にはちょっと解せません

それでも、被害の救済が必要となる2世は私を含め多数存在し、たとえ不本意であっても様々な手段でその方途を模索せざるを得ません。

今回の問い合わせによって、家庭連合の姿勢や意図がある程度明らかになれば、と思っています。

回答については届き次第、支障のない範囲でこちらで公開をする予定です。

  1. 正式名称は「宗教法人世界平和統一家庭連合補償委員会」 補償委員会事務局ホームページ ↩︎
  2. 補償委員会の参与となられる若狭勝弁護士は、家庭連合世界本部の案件を受任している中山達樹弁護士が主宰する団体のシンポジウムにパネリストとして参加されています。
    公開シンポジウム:岸田政権1000日を検証 – 一般社団法人グローバルチャレンジ
    委員会への質問状には記載しませんでしたが、私としてはこのことも委員会の独立性に疑問を持つ一因となっています。 ↩︎
  3. 2023年9月8日 世界平和統一家庭連合 記者会見(抜粋版) 該当箇所動画 ↩︎
  4. 補償委員会の設立について|ニュース|世界平和統一家庭連合 ↩︎

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